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パナソニック、純水素型燃料電池の実証開始
岩谷産業がシリンダーで燃料供給

  パナソニック(大阪府門真市、津賀一宏社長)は9日、都内の自社ショウルーム「パナソニックセンター東京」(PC東京)で純水素型燃料電池の実証を開始したと発表した。
  実証機は、コンパクトな筐体サイズで700Wの発電出力を実現。優れた設置性を有するほか、水素の供給方法には、新たな水素インフラの敷設が困難な場所であっても運用可能なシリンダー方式を採用する。施設内で電力を自給するモデルとして実際に稼働させて運用するとともに、手軽なオンサイト発電としてのポテンシャルを検証する。
  実証機は、PC東京の西エントランスの屋外スペースに設置しており、毎日8時間発電を行い、PC東京に電力を供給する。1日の積算発電量を表示するほか、実証機の横に自由に利用できる電源コンセントを設け、来場者が発電電力を体感できるようにした。なお、燃料には岩谷産業が製造した低炭素水素を使用。シリンダーで配送された低炭素水素を貯蔵庫に20本保管し、そこから実証機へ供給する。交換頻度は1カ月に1回程度の予定。
  同社は2009年5月に世界で初めて都市ガスやLPガスから取り出した水素と空気中の酸素を化学反応させて発電する家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム」の販売を国内で開始した。さらに、エネファームで培った技術を活用し、水素を供給して発電する「純水素型燃料電池」の開発を進め、山梨県「ゆめソーラー館やまなし」や「静岡型水素タウン」プロジェクトへの参画、水素情報発信拠点「スイソテラス」(横浜綱島水素ステーション併設)など、12年から実証実験を行っている。
  パナソニックでは、シリンダー方式を採用した純水素型燃料電池によるオンサイト発電の提案を通じて水素エネルギーを活用した電力の地産地消および電力システム分散の実現を図り、脱炭素社会の実現に向けて貢献していく考え。